イジワル同居人は御曹司!?
10:00ジャスト

私は布団に潜り込む。

小学生ばりの早い就寝時間だ。

今日は金曜日。

奏さんに出ていけと言われた週末、つまり土曜日は明日に迫っている。

もちろん行く当てはなし。

そもそも出て行く気もなし。

奏さんは帰りが非常に遅い。

その分朝は比較的遅めなのでここ数日殆ど顔を合わせることはなかった。

本日のミーティングまでは、だけどな。

しかも同僚を口説こうとしてるところも見られたし。

恥ずかしい記憶がよみがえり、ベッドの中で身悶える。

奏さんが帰ってきて諸々の都合が悪い事を言われる前に、寝てしまおうという作戦だ。

意地悪メガネと言えど、寝ている相手を起こしてまで家から追い出そうとはしないハズ

「寝てやり過ごす」とは子供が思いつきそうな浅はかな考えだ。

しかし今はそれ以外打つ手はない。


こんな早い時間に眠れるかしら。

それじゃなくても、ここの所色々あり過ぎて頭の中は混乱状態だ。

今日を乗り切ったとしても明日からはどうしよう。

漠然とした不安が濃い霧のように胸に広がる。

私はリモコンで照明を落とすとドサリとベッドに横たわった。


…数十秒後

私は意識を失った。
< 28 / 328 >

この作品をシェア

pagetop