イジワル同居人は御曹司!?
晴れ渡った秋の青い空に、チャペルの鐘の音が鳴り響く。
人々の拍手と祝福の言葉に迎えられ新郎に手を引かれながら、花嫁は弾けるような笑顔で、階段をゆっくりと降りて来る。
「おめでとー!」
お祝いの言葉と共に、色鮮やかな花びらを空中に向かってふんわりと放った。
「ありがとう、紗英」
本日は同僚兼、義妹(仮)である歩の結婚式だ。
マーメイドラインの白いウェディングドレスに身を包んだ歩は涙が出るほど美しい。
結局、優梨奈と被ったウェディングドレスは複雑な心境のため止めにしたようだ。
こんな美しい妻を娶った幸運な男性、俊くんはというと、ぽっちゃりとした童顔の温厚そうな人だった。
とても敏腕社長には見えないが、奏さんに言わされば相当なクセ者だというのだから人間って解らない。
歩と俊くんは皆に祝福されながら、赤い絨毯をゆっくりと歩いて行く。
チャペルの出口まで来るとこぞって女性達、主に独身、が歩達を取り囲んだ。
ブーケトスの瞬間だ。
次こそは、と私も息巻いて前に出て行く。
歩はクルリと後ろに振り向く。
女性達の間に俄か殺気だった空気が流れる。
歩は天高く真っ白なブーケを放り投げた。
緩やなアーチを描きブーケは私の方へ飛んでくる。
大きく手を伸ばしキャッチしようとした瞬間、横から白い腕がにゅっと延びて来て、ブーケを掠め取って行った。
「うそっ!」
慌てて振り向くと、ブーケを手にしているのは同期の栞だった。
人々の拍手と祝福の言葉に迎えられ新郎に手を引かれながら、花嫁は弾けるような笑顔で、階段をゆっくりと降りて来る。
「おめでとー!」
お祝いの言葉と共に、色鮮やかな花びらを空中に向かってふんわりと放った。
「ありがとう、紗英」
本日は同僚兼、義妹(仮)である歩の結婚式だ。
マーメイドラインの白いウェディングドレスに身を包んだ歩は涙が出るほど美しい。
結局、優梨奈と被ったウェディングドレスは複雑な心境のため止めにしたようだ。
こんな美しい妻を娶った幸運な男性、俊くんはというと、ぽっちゃりとした童顔の温厚そうな人だった。
とても敏腕社長には見えないが、奏さんに言わされば相当なクセ者だというのだから人間って解らない。
歩と俊くんは皆に祝福されながら、赤い絨毯をゆっくりと歩いて行く。
チャペルの出口まで来るとこぞって女性達、主に独身、が歩達を取り囲んだ。
ブーケトスの瞬間だ。
次こそは、と私も息巻いて前に出て行く。
歩はクルリと後ろに振り向く。
女性達の間に俄か殺気だった空気が流れる。
歩は天高く真っ白なブーケを放り投げた。
緩やなアーチを描きブーケは私の方へ飛んでくる。
大きく手を伸ばしキャッチしようとした瞬間、横から白い腕がにゅっと延びて来て、ブーケを掠め取って行った。
「うそっ!」
慌てて振り向くと、ブーケを手にしているのは同期の栞だった。