イジワル同居人は御曹司!?
4. 兄を手懐けろ
18:30
私はあたふたとデスクの上を片付け始める。
今日は奏さんが早めに帰るらしいので、それまでに夕飯の支度をしなくてはいけない。
「藤田さん」
声を掛けられて振り向くと隣に座ったゆうぽんがジッと私の様子を眺めていた。
「男出来ました?」
ゆうぽんは単刀直入に切り込んできた。
「出来てないけど」
「それにしては、最近いそいそと帰っていきますよね」
…す、鋭い。
仕事もこれくらい観察眼を光らせてくれたらいいんだけど。
「そういえば、藤田さんって家燃えたじゃないっすか」
私の大惨事をゆうぽんは随分気楽に言ってのける。
「今、どこに住んでるんすか?」
…これまた、鋭い。
心臓が大きく脈打ち私はギクリと固まった。
「と、友達のところに居候してる」
「男すか?」
「えー女の子だよ」
嘘だけど。
ふーん、と納得しかねていない様子でゆうぽんは相づちをうつ。
「最近楽しそうだから何かあったのかと思っちゃいました」
「ええ!楽しくないよ!全然!まったく!神経すり減りそうだよ!!」
これは本当。
「なんか…色々と大変なんすね」
ムキになって否定する私の迫力にゆうぽんはちょっと引いた顔をしていた。
私はあたふたとデスクの上を片付け始める。
今日は奏さんが早めに帰るらしいので、それまでに夕飯の支度をしなくてはいけない。
「藤田さん」
声を掛けられて振り向くと隣に座ったゆうぽんがジッと私の様子を眺めていた。
「男出来ました?」
ゆうぽんは単刀直入に切り込んできた。
「出来てないけど」
「それにしては、最近いそいそと帰っていきますよね」
…す、鋭い。
仕事もこれくらい観察眼を光らせてくれたらいいんだけど。
「そういえば、藤田さんって家燃えたじゃないっすか」
私の大惨事をゆうぽんは随分気楽に言ってのける。
「今、どこに住んでるんすか?」
…これまた、鋭い。
心臓が大きく脈打ち私はギクリと固まった。
「と、友達のところに居候してる」
「男すか?」
「えー女の子だよ」
嘘だけど。
ふーん、と納得しかねていない様子でゆうぽんは相づちをうつ。
「最近楽しそうだから何かあったのかと思っちゃいました」
「ええ!楽しくないよ!全然!まったく!神経すり減りそうだよ!!」
これは本当。
「なんか…色々と大変なんすね」
ムキになって否定する私の迫力にゆうぽんはちょっと引いた顔をしていた。