イジワル同居人は御曹司!?
地下鉄を乗り継ぎ、最寄駅に到着する。
駅のすぐ隣にあるスーパーで買い物をすませると、駐輪場へ向かう。
停めてあった赤いママチャリを引っ張りだすとスカートの裾が捲れ上がらないよう乗り込んだ。
痴漢騒動があった二日後の日曜日、突然家に自転車が届いた。
「この自転車で月曜から出勤しろ」
奏さんに例のごとく仏頂面で指示された。
籠の部分は籐で編まれており、鮮やかな赤に丸いフォルムも可愛くて一目で気に入ってしまった。
「あの…これは?」きょとんとして奏さんの顔を見上げる。
暫しの沈黙の後に「…レンタル」奏さんはボソリと呟いた。
レンタルという事は、私が使わない時は奏さんが乗ったりするのだろうか。
赤い自転車に乗って軽快にペダルを漕いでいる無表情の奏さんを妄想してしまう。
堪え切れず吹き出すと、例のごとくギラリと睨みつけられた。
「ありがとうございます。大事に乗りますね」
私がだらしなく頬を緩めると「うん」ともっともらしく頷いて奏さんは鋭い目つきを和らげた。
駅のすぐ隣にあるスーパーで買い物をすませると、駐輪場へ向かう。
停めてあった赤いママチャリを引っ張りだすとスカートの裾が捲れ上がらないよう乗り込んだ。
痴漢騒動があった二日後の日曜日、突然家に自転車が届いた。
「この自転車で月曜から出勤しろ」
奏さんに例のごとく仏頂面で指示された。
籠の部分は籐で編まれており、鮮やかな赤に丸いフォルムも可愛くて一目で気に入ってしまった。
「あの…これは?」きょとんとして奏さんの顔を見上げる。
暫しの沈黙の後に「…レンタル」奏さんはボソリと呟いた。
レンタルという事は、私が使わない時は奏さんが乗ったりするのだろうか。
赤い自転車に乗って軽快にペダルを漕いでいる無表情の奏さんを妄想してしまう。
堪え切れず吹き出すと、例のごとくギラリと睨みつけられた。
「ありがとうございます。大事に乗りますね」
私がだらしなく頬を緩めると「うん」ともっともらしく頷いて奏さんは鋭い目つきを和らげた。