イジワル同居人は御曹司!?
「まさか、自分が誘われるとでも思ったのか?」

奏でさんは冷笑を浮かべながら言う。

「思ってません。万が一誘われても絶対行かなかったですし!」

私は顔の筋肉がつりそうになりながらも辛うじて笑顔を作る。

そのまま空いた缶をグシャリと片手で握り潰し、グラスを持って席を立つ。

シンクに勢い余ってグラスを置くと、ガシャンと音を立てて割れた。

ああ、もう最悪。

なんだか泣きたい気分になった。
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