幼なじみ。
そしてそれは、ホームルームが終わるとすぐに気がついた。



「ひまり、部活行こーっ」

バッグを抱えるアヤ。

その横で、あたしは固まっていた。


「どうかしたっ?」

あたしの顔を覗き込むアヤ。


「…ない」

あたしは小さく呟いた。


「ないって、なにが?」


あたしの机の左側にはスクールバッグ、右側にはお弁当袋がかかっている。

…しかし、“あれ”がなかった。
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