幼なじみ。
中学のときよりもxやyの数式が難しくなってるし、元素記号なんて暗号にしか見えないっ。


「ひまり…大丈夫?」

険しい顔をしてノートを取るあたしに、隣の席のアヤが声をかける。


「うん、ダメかも」

あたしはすでに、初っ端からつまずいていた。


キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン

そのとき、6限の終わりを告げるチャイムが鳴った。


「じゃあ、今日はここまで」

白衣を着た化学の先生が教室を出て行く。
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