幼なじみ。
徒歩のあたしの隣で、ケイスケ先輩が自転車を押して歩く。


「あの、ケイスケ先輩。あたし、大ちゃんと家が隣ですし、わざわざ先輩が遠回りしてくださらなくても大丈夫ですよ?」

ずっとそれが気がかりだった。


ケイスケ先輩の家は、あたしの家から真逆だと聞いている。

なのに、毎日こうして部活帰りに家まで送ってくれる。


先輩が自分の家に着くころには、きっと20時を回っているはずだ。

だから、それがすごく申し訳ないと思っていた。
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