The Ordinary Youthーありきたりな青春ー
だけどそれは、立野のそれだから
好きなのかもしれない、
というのが最近の見解。
こんなことでさえも、
分析しないと自分のものにならない。
もどかしい。
まぁ、どちらにせよ、立野はレンのだ。
ーー「立野。」ああ、恥ずかしい。
「花火大会のこと、レンから
聞いたんだけど、その、本当?」
なんでもないことかのように、
笑う、その人。
「本当だよ。ユウキが良かったらね。
行かない?」
「……行く。」
「オッケー。」
なんでもない、優しい笑顔。
始業のベルが鳴る。次は、国語か。
ああ、どうして、
なんて聞けなかった。