The Ordinary Youthーありきたりな青春ー
ーー「ユウキー、帰ろう。」
レンがカバンに教科書を
詰めながらやって来る。
「ちょっ、入れてから来なよ。
あれ、今日は、立野は?」
「ミサキたちとカラオケだってー。」
ふーん。他クラスの生徒たち。
去年同じクラスだったのだ。
「なに?気になる?」
バンっ、と叩きつけるように
外履きを下ろす。本当、雑だな。
「ミサキのこと?違うよ。
別に今は何も言われてないし、
他に好きな人いるんじゃ、」
って、ニヤニヤすんなって。
「で、花火は?」
ぐいぐいと足をねじ込む。
レンは、これだからもう。