The Ordinary Youthーありきたりな青春ー
「行くよ。レンが嫌じゃなきゃ。」
「んなわけないじゃん。
よーし、決定。今年初、カキ氷だわ。」
7月、蝉はミンミンと忙しそうだ。
こんなにも快晴なのに、
入道雲を見つめて、
センチメンタルに浸る。
ーー神社の境内。
焼きそばやりんご飴、
お馴染みの屋台が軒を連ねて、
提灯の灯りが雰囲気を煽る。
今日は特に湿度が高い。
たまに吹く風が、
本当にありがたく感じるほど。
「お待たせー!浴衣に手こずって。」
人がごった返してる中で、
大きく手を振って、
立野が小走りで近づいて来る。
「ただでさえ時間ヤバいのに、
人で動けなくって。二人とも私服!?」