淋しがりやの心が泣いた
「俺、たった今、南ちゃんに告られちゃった。

「……はい?」

 思わず眉間にシワを寄せながらマスターを凝視すると、自分の口から素っ頓狂な声が出た。
 マスター、なにを言ってるんでしょう?と。

「いやぁ、こんなかわいい子から告られると嬉しいね」

「俺もそれ聞いちゃいましたよ! うわ~~~、俺ショックで寝込みそうです。マスター、俺のいない間に南ちゃんを口説いたでしょ!」

 ひどいっすよ! なんて、今度は央介くんが頭を抱えているけれど、私にはそのやり取りがさっぱりわからない。

「南ちゃんは俺のだから狙わないでくださいって、いつも言ってるじゃないっすか!」

「わかってる。けど……南ちゃんがお前より俺が好きって言うんだから……」

「は?!  ちょっと待って!  私が誰を好きって?」

 どんどん進んでいくふたりの会話を制止すると、央介くんがぎゅっと唇を真横に引いて私を見た。
 なんだか不機嫌そうなんですけど。
 それとは打って変わって、マスターは楽しげに含み笑いしてる。

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