GREEN DAYS~緑の日々~
洸は夏穂の家から少し離れた所で車を停めた。改めて夏穂の家を見る。小さな庭に緑の垣根。白いペンキのポスト。何も変わってはいなかった。何も。
その夜、夏穂は玲子達と共に少し遅い夕食を摂っていた。だが夏穂は食欲が無いのか申し訳程度に箸を付けているだけである。玲子が嗜める。
「夏、お茄子も食べなさい」
「食べたじゃん」
「一口だけじゃないの」
「あたしは若者だからこういうの食べないんだってば」
「屁理屈ばっかり言って」
瑞恵はそのやり取りを聞いて苦笑した。
「そう言えば夏、今日の先生、何てったっけ」
「何で」
「素敵な人だよね」
「あら何の話」
「夏の学校の新しい先生。今日偶然お会いしたんだけど凄く素敵なの」
「へー、お若いの?」
「あたしよりは下かな」
「でもどうしてお会いしたの」
「うん、夏の自転車が壊れてね、送って頂いたんですって」
「あらまたー?」
夏穂は口を尖らせた。
「自転車が壊れたのは不可抗力。ごちそう様―」
夏穂はそう言い残すと階段を勢いよく駆け上って行った。玲子は呆れた様に呟いた。
「全く、物壊すか文句言ってるかのどっちかなんだから」
瑞恵は微笑んでから首を竦めた。
その夜、夏穂は玲子達と共に少し遅い夕食を摂っていた。だが夏穂は食欲が無いのか申し訳程度に箸を付けているだけである。玲子が嗜める。
「夏、お茄子も食べなさい」
「食べたじゃん」
「一口だけじゃないの」
「あたしは若者だからこういうの食べないんだってば」
「屁理屈ばっかり言って」
瑞恵はそのやり取りを聞いて苦笑した。
「そう言えば夏、今日の先生、何てったっけ」
「何で」
「素敵な人だよね」
「あら何の話」
「夏の学校の新しい先生。今日偶然お会いしたんだけど凄く素敵なの」
「へー、お若いの?」
「あたしよりは下かな」
「でもどうしてお会いしたの」
「うん、夏の自転車が壊れてね、送って頂いたんですって」
「あらまたー?」
夏穂は口を尖らせた。
「自転車が壊れたのは不可抗力。ごちそう様―」
夏穂はそう言い残すと階段を勢いよく駆け上って行った。玲子は呆れた様に呟いた。
「全く、物壊すか文句言ってるかのどっちかなんだから」
瑞恵は微笑んでから首を竦めた。