花色のキミに愛し方を教えてあげる。

彼女は、はっとしたように僕を見た

「そう、ですね」

「でも」と彼女は続ける

「これは日本の和風の考えです」

和風?



確かに着物のイメージもある

あぁそうか
だから【優美】か

「フランスにもあるんです。
それは

『Ne m’oubliez pas』
【私を忘れないで】

です」

彼女のその高音な声から
出てきたフランス語は

発音が良くて
多分、フランス人にも通じる


「どゆこと?」

「別れを選んだ恋人の切ない心を表して生まれたと言われてますね

自分は好きなのに
相手のためを思って

って本当にありますよね」

彼女は少し俯いた
僕から目をそらして。


「まっ、先輩には関係ないですけどね^ ^」
「あはは、空気ぶった切ったね」

「はい^ ^」


< 15 / 56 >

この作品をシェア

pagetop