花色のキミに愛し方を教えてあげる。
紫苑side
「先生…」
「ん?」
先輩が帰っから言いますけど
「私、嘘ついちゃった」
「?…俺に?」
先生には嘘つかないよ
嘘ついたってバレるじゃん
「柊先輩にー」
「………柊?どうして?…」
「何でだろうか…」
自分にもわからないんだから
先生にもわからないと思うんだけど
なら、なぜ聞いたんだろう
私にはそれすらわからなかった
「何を嘘ついたの?」
「花言葉…。これの」
図鑑の下からルーズリーフを出して
先生に見せる
私が書いた柊は
その葉独特の色が無く
白黒のモノクロだ
私がそこに色を加えることは
決してできない
「柊の花言葉は【用心深い】【先見】の他にもあるんです」
「………」
「それは…【あなたを守る】」