あ、また会えた。
「いたっ…」
鼻緒が切れた弾みに転んでしまう私。
私の前を歩いていた友達たちは、私のことになんて気付かず、どんどん進んでいってしまう。
「最悪だ…」
そんな私の呟きも人の声や足音で消されてしまった。
なんとか立ち上がり、近くにあったブロックの上に座る。
なにやってんだろ。
さっきまではあんなに楽しかったのに。
はあ、とため息をついたとき、私のケータイが鳴る。
祭りに一緒に来ていた友達の一人からだった。
「もしもし?」
『ちょっと!由良!どこにいるの?』
「ごめん、下駄の鼻緒が切れちゃって」
『ええっ!?大丈夫なの?』
「大丈夫だけど、下駄の状態を考えると歩けないから、このまま帰るね。ごめん」
『そっか…。またあそぼうね』
電話を切り、ケータイをしまう。
あーあ。
もっと遊びたかったな…