鉢植右から3番目
一瞬真顔になったあとで、ゆっくりと彼は笑った。
「・・・そっか。じゃあ今、幸せなんだな」
ううーん・・・即答出来ないところが悲しい!でもここは、頷くべきだよね、と思って、頷いた。
「そうね」
「判った。じゃあ諦めるよ。でも今日は、会えてよかった」
私も笑って同意した。そうだね、楽しかったね。それに、ごめんねって。
心の中でも、手を振って歩いていく坂田君に謝った。
彼の姿が見えなくなって、私は荷物を持ち直した。そして、深呼吸。
「――――――――さて」
帰ろう、あの部屋へ。
たった今、私は自分で恋愛の種を潰したのだ。私には今現在用意されている環境がある。それを甘んじて受け入れて――――――――
・・・ゆっくり、改良しよう。
過去からの人に会って、もう大丈夫だと思っていた気持ちの整理が今や完全に済んだことが判った。
ならば、あとは未来に進むだけ――――――――