鉢植右から3番目
まあそれを言うなら、やつだって私の部屋に入ったのは不審者に侵入されそうになったあの時だけだけど。
「・・・お邪魔、しまーす」
ドアを開けて、カーテンが閉めてあるから昼間なのに薄暗い部屋に入る。
私が注文した箪笥しかなかったから、指定されている箪笥とはこれのことなんだろうな。
一番上の段は、確かに小さな二つの引き出しがついていた。
その右を、ドキドキしながらそろりと開ける。
覗きこんだ。
「――――――――」
そこには、ここまで誘導してきた3枚と同じ小さくて白いカードと、失くしたと必死に探していた私の鍵、クリスタルみたいな形にカットされた透明な箱。
そして、その中には一つの指輪が納まっていた。
透明で複雑にカットされた箱の中で光る指輪をじっと見詰める。
・・・・まさか。
ゆっくりと指を下ろして、先にカードを取り出す。
細かく震える指でひっくり返した。
『 妻へ 鍵はもうなくさないように。』