鉢植右から3番目


「仮面夫婦って誰も知らないんでしょうが!冠婚葬祭は仕事休んででも行くのが日本人なの!」

 平然とお箸をつかうヤツの腕に噛み付いてやりたいぜ。あまり美味しそうではないけどな!

「なら、仕方ないよな」

「そう、仕方ないんだけど・・・」

「じゃ、行くんだな」

「・・・うん。行くしかないんだけど」

「いつだって?」

「来週日曜」

「了解」

 ・・・・・終わり。――――――え?終わりっすか?話、終了?

 ぽかんと相手の顔を見てしまった。まるでバカ面だっただろう。また、気がついたら丸め込まれていた気分だ。

 あれ?私の予定としては、もうちょっとぶーたれて、それで対策を練って、それでそれで―――――・・・と思ってたんだけど?

 ちらりと視線を飛ばしてやつが言った。

「食べないのか?・・・口、開いてるぞ」

「!!」

 やっかましいわ!ダレダレ男~!!

 憤然としてご飯にやつあたりする。ガツガツと食べて、相談相手にならない男は放っておいて、結婚したことを告げているほんの数人の女友達に電話をかける。

 彼女達は全員20代で嫁になっている。ダンナの親戚筋での法事での身の置きかたを、是非ご教授願わねば。


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