鉢植右から3番目
・・・はーい。膨れっ面を更に膨らませて、私は私に出来ることに専念する。
説明書なくて出来るんだろうか。もしかしてああいうの得意とか?相変わらずよく判らない男だからな。
ほとんど出来上がる寸前だったので、それから10分ほどで食卓の準備は整った。
「出来たよ~」
私がヤツに声をかけたのと、ヤツが立ち上がったのが同時だった。
「こっちも出来た」
――――――え、嘘。うっそおおおおお~!!!
「ええ?もう出来た!?」
私はテーブルを回ってやつの元へ行く。するとそこには通販のカタログ通りの棚、私が欲しかったまさしくそれがちゃんと存在していた。
マジで!?・・・かかった時間、15分、ほど・・・。しかも、私がやるより断然美しいよ、これ。
あれ?私、昼過ぎから格闘してたんだけど?しかもヤツは説明書なしで?
「・・・ひょえー」
ヤツは段ボールを潰して畳み直し、まとめて紐をかけ玄関に持っていく。
「食べよ」
「あ、はいはい」
口を開けっ放しで相手のやることを見てしまった私はバタバタと椅子に座る。まるでバカ丸出しだ。
頂きます、と手を合わせる。
「凄いんだねえ!工作とか得意だった人?私昼過ぎからやってたんだけど」