鉢植右から3番目


 ・・・はいはい。判ってましたけどね。ちょっとふざけただけでしょうが・・・。

 椅子の背にもたれて力を抜き、そもそもの最初、親達の同窓会があった日から話を始めた。

 うちの親とヤツの親が学生時代の親友だと知って奈緒は驚く。そりゃあそうだろうなあ、その割には私達は別に幼馴染にすらならなかったんだもんね。

 そして『神の啓示』を受け、子供達を結婚させようと決め、あわせてみたら二人ともそれぞれの独身時代にうんざりしていたので、親孝行も兼ねて計画にのってやるか、ということになった、までを話した。

「・・・おおお~」

「何よその反応。奈緒が漆原大地を覚えていることに私は驚愕だわ」

 彼女はゆっくりとコーヒーを飲んで、一度口から離してマジマジと覗き込み、うまい・・・と呟いてからまた飲んだ。

 ロンドン帰りの奈緒の髪は綺麗な黒髪のショートボブで、キラキラと艶めいている。全身コレ日本人なのに異国の雰囲気がするのは、着ているものが原因だろうか。やはり感じが変わったなあ~とじっくりと眺めた。

「女に見つめられても嬉しくないのよ、やめてくれる?」

「だからさっさと答えなさいよ。どうしてあの存在感の薄いヤツを覚えてるの?やつが高校の時に生徒会長なんてしてたから、うっすらと記憶にあったって程度よ、こっちは」

 奈緒は飲み干したカップを置いて、ふうと息をついた。

「小学校の3、4年と中学の2年、それと高校2年で漆原とは同じクラスだったのよ、私」

 ・・・ほおー。私は肘をつき、手に顎をのせながら話を聞く。そうだったのか。ま、都合12年間も同じ学校へ通って一度も同じクラスにならなかった方が珍しいのかも。

「それで?」


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