鉢植右から3番目
3、かみ合わない会話。
同居人が勤めている会社は什器のレンタル販売会社なので、盆暮れは関係ないらしい。
ヤツがいる部が設置担当なので、百貨店やスーパー、会社や市場などでのショーケースや舞台などの設置をしに行くのが仕事らしく、正社員であるヤツは土日は休んでいるが、平日は昼から行ったり早く帰ってきたり終電まで連絡不能になったりと忙しない。
会社で使っているアルバイトさんは平日休みの土日祝日出勤らしく、土日の什器や舞台設置は社員が交代で監督にいくのが決まりで3ヶ月に1度くらいの割合で休日出勤がまわってくるんだけど。
そんな仕事ゆえ、平日は捕まらない上にメールなんかをこちらが送っても、面倒臭がりのヤツはろくに返信もしないのだ。
お盆を目前に控えた日曜日の夜、晩ご飯を食べながら、私はそれに苦情を言っていた。
「だからね、お盆はお仕事なのは判ったけど、それをさっさと返信してくれたら何回も親に電話せずに済んだのよ」
前で黙々とご飯を食べながら、やつは目だけを私に向けた。
「悪い」
・・・絶対そうは思ってねーよな、この言い方。
くそう!面倒臭いから謝っとけ的なノリの謝罪なのが嫌っつーほど判るぞ!大体、悪い、は謝りにはなってないでしょ、ごめんなさいと言え!
もう、と私はヤツを睨みつけて腕を組む。
このお盆にはダンナを連れて帰ってくるんでしょうね?とうちの母親から何回も電話があったのだ。