鉢植右から3番目
別に法事もないのになぜ帰る必要が!?と私は相手にしなかったのだが、それにムカついたらしい母親は、ストーカーまがいの頻度で電話をかけてくるようになったのだ。
ずーっと。私が、判った!ヤツにも聞いてみるから!と言うまで。
で、聞いてみるとお盆休みなどない職業だと判ったのだ。ただし、その情報をゲットするのに恐ろしく時間がかかった。そんなわけで相方は繁忙期だから帰らないよん、と電話で言うことが出来たのは、最初の電話から9日後だったのだ。
「もう~、メールくらいちゃんと返してよ~必要なことしか連絡しないでしょ~?」
食器を片付けながら私が言うと、はいはい、と後ろから小さな声が聞こえた。
くっそう・・・何だか、また怒りが。
生理前なのもあって、腹の中から煮えたぎった苛立ちが立ち上ってくるようだった。う~っ!と唸りながら流しで立っていると、ヤツが食べ終わったお皿を持ってやってきた。
ちらりと見ると、うんざりした顔をしている。
「どうしてそんなに機嫌悪いんだ?」
噛み付いてやりたいぜ。そんなことを考えながらやつの腕を睨むと、予感がしたのかさっと引っ込められた。
「生理前なのよ!」
声にトゲを出しまくって応えると、あーあ、と言いながらため息をつきやがった。
ゆっくりと座椅子に向かいながら背中越しにやつは聞く。
「・・・それって毎月だよな。ちなみに何歳頃まで続くんだ?女性の、生理前のイライラってのは」
私は振り向いて、シンクに腰を預けてやつを見た。