鉢植右から3番目


「一体誰の子供の話してんの?」

「もしもーし?」

「・・・何」

「ここにはあんたと私しかいないでしょうがっ!」

「え。―――――――俺?」


 ・・・・間が。その、間が強烈に痛い・・・。


 よろめきそうになる体をシンクでなんとか押さえて、私は呟いた。

「・・・君はバカなの?それとも煙にまく作戦とか?」

 もしかするとそのどっちもか。

 現在法律上では私の夫で、一緒に住んでもうすぐ5ヶ月になる漆原大地は真顔で聞いた。

「うーん・・・。冗談でなくて?」

「コロスゾキサマ」

「だってな~・・・俺、責任取れないし」

 ――――――――うん?

 私は激しく両目を瞬いた。

 結婚していて、彼の扶養に入り、養って貰っている。・・・これ以上、どう責任取るつもりなのよ?私が驚きとショックと混乱で言葉が出ないのを見て、ヤツはのたもうた。声に困惑は混じってた・・・と思うけど、平然とした顔で。

「本気で言ってんの?」

 その言葉が脳内に届いた瞬間、私は、切れた。

「・・・もう、いい」

「ん?」

「もーう、いい!!あんたの子供なんかいらない!他の男捜します!!」

 ずかずか歩いて自室に入り、ドアを渾身の力でバンっ!!と閉めた。そのままベッドにダイブして頭から布団を被る。

 あの・・・あの・・・漆原、大地の・・・・・・・

 わなわなと震える両手を何とか押さえ込んだ。

 ばっっっかやろおおおおおおおおおおお~!!!!!


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