Smile
あの音楽室の日から、一週間後の昼休み。
俺は右手に弁当を持ったままぽかんとしていた。
「なんで……高野さんと船橋さんが?」
廊下で、高野さんと船橋さんがこっちを見て手を振っている。
「一緒にお昼ご飯食べようよ!」
船橋さんが俺と俊也に向かってそう言った。
「蒼太、行こうぜ」
「へっ……」
有無を言わさずに俊也は俺の手を引っ張って教室を出る。
「久しぶりだね、澤本くん」
「お、おう」
高野さんがにこっと笑ってそう言う。