紅いクチビル
「…そうやってとぼけるつもりなら、見せてやるよ。」
冬馬、と奈津が言うと、冬馬君は戸惑いながらもパソコンをイジった。
「……これ、明良さんだよね。」
監視カメラの映像には、ハッキリとあたしの姿が。
「…確かに、これあたしだけど。」
「明良っ…お前、なんで…?!」
「鱗、怒んないでよ。
やだなぁ、みんな誤解してるって!」
ナルホド、謎が解けた!
この倉庫、ドラゴン・フルーツのアジトだったんだね。
だから疑われてたんだ、無理もないな~!
「あたし、呼び出されたんだよ。
この倉庫に。」
「は…?」
いつだったかな、下駄箱に紙が入ってて、下の住所にこい的な?
「地図アプリで調べて行ってみたけど、結局何もなくて帰ってきたの!
これで疑いはれたよねっ?ねっ?
はぁーよかった!
大体、あたし何にもしてないのにヒドいよ!
奈津には信じて欲しかったのになぁ~」
「俺だって信じられないな。」
…え?