紅いクチビル


「…どういう、ことだろうな。」

「…分からない。
ただ、アイツバイバイって言って笑ったんだ。

今までで最高の笑顔で。」

「今までで、最高の…」

「…俺の勘だけど、次にあったら本当に明良は明良じゃない。

そんな気がする。」

「奈津……

…なんでお前がそんなに落ち込んでんだよ!
裏切り者が消えて良かったじゃん!

な?」

「…あぁ。そうだな。」

「そりゃ、後味は悪いけど。
でも、アイツは所詮それだけの女だったってコトで!

はい、もうメソメソしないー」

「…フッ、ありがとな、鱗。」

「俺は仲間ですからね~!
当・然☆」

…調子のいいヤツだな。
ありがとう。


お前のその調子の良さに、救われた。

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