紅いクチビル
「…じゃあ、そう呼んでください。」
「了~解~」
「潰れるなよ、アキ。」
潰れませんよ。
潰れたら、復讐なんて出来ないでしょう?
そのためなら、あたしなんでもする。
あたしと奈津の仲を引き裂いたあの女に。
あたしを信じてくれなかった薺、鱗、冬馬君、そして奈津に。
もう、泣かない。
泣いてもなにも変わらないから。
もう、誰も信じない。
信じなければ、傷付いたりしないから。
もう、笑わない。
楽しいコトなんてひとつもないから。
だから。
もう、笑えない。
今のあたしを、あたしは棄てる。
復讐の下僕として、生まれ変わるために。