病み彼女との恋愛
尊さんは俺に
生きろ。
そう言った。
死んだ由莉の分まで俺が生きろと。
尊さんも大変なのに…俺のことまで気にかけてくれて……
だから、俺は心に由莉との思い出を抱えたまま復活出来た。
でも、目の前にいる恋人の妹は違う。
姉との思い出を抱えたまま復讐に囚われている。
自分の身に降りかかった不幸と…不幸と呼ぶには軽すぎるモノを抱えたまま、怨念に駆られている。
きっと、それをどうにか出来るのは彼女が最愛の人と謳う聡だけ。
でも、聡にあの時のことを伝えるべきではないと。
俺も尊さんも考えている。
小毬に再開している時点で既に少し巻き込んでいるのかもしれない。
それでも、最後まで足を入れないで欲しい。
聡はいい奴だ。
だからこそ、最後まで巻き込んでしまったら……そう考えるとキツい。
俺もキツいけど、きっと聡自身が壊れる。
あいつの精神が壊れる。
頼むから…それだけは……大切な後輩なんだよ…!
由莉を守れなかった罪滅ぼしのつもりなんて毛頭ない。
由莉を守れなかった罪は、業は、俺の一生をかけて背負っていくつもりだ。
俺が愛するのは、昔も今もそしてこれからも、例えお前の妹に恨まれても…お前だけだから。
……由莉…
好きだ。
愛してる。