病み彼女との恋愛

畏怖


「おはよう」

「おっはー!」


朝の教室に挨拶の声が響く。

一方の俺は朝から頭が痛い。

……風邪引いたか…?


「おっす!

聡元気かー?」

「……お前が黙ればすこぶる元気になる」

「俺は病原体かよ⁉︎」


「あはははっ

残念だったね、類(るい)

「お前もうるさいからな、煜(ひかる)」

「あはははっ

辛辣!」

煜と話ながら頭を手で押さえて、もう片方の手で類の頭を思いっきり握る。


「痛い!聡⁉︎痛いからね‼︎」

とか、騒いでるけど……知らん。

……こっちも痛いんだ。



「でもまあ…聡が体調崩すのって珍しいね



明日槍降るんじゃ無い?」

「いや…そんな覚えは無い

つーか、俺だって普通に体調崩すっての」

「あはははっ

じょーだん、じょーだんだって」


地面に倒れ伏せてる類を引っ張りあげながら笑う。



何故か高嶺の花だと思われてる俺にとって2人だけが話しかけてくれる。

ありがたいけど、恥かしくて言いたくない。

でも、理解はしてくれてると思う。



馬鹿が服を着て歩いてるような類。

笑顔の塊のような煜。



多分、2人がいなかったら1人だったのかもしれない。

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