病み彼女との恋愛
憂苦
そのまま小毬と一緒に帰された。
「良かったですわ。
聡さん、只の風邪のようで良かったですわ……」
「悪いな。
心配掛けたみたいで」
「…いえ!
わたくしは……
わたくしは…貴方が生きていてくれればもう…それだけで……」
「え?」
「いえ、なんでもありませんわ」
にこりと保健室と同じような微笑み方をされる。
「でも、ありがとうな
心配なんてあんまりされたことねえからさ」
「いえ…そんな……」
「送っていこうか?」
「っ⁉︎
それは…申し訳ありません……」
「そっか…」
家の話をしようとすると、急に顔が暗くなる。
…小毬の家にもなにかあるのか……?
まあ、家の事情なんて人それぞれか。
「…あ……
聡さん。わたくし此処から……」
「ああ、そうか
今日は本当に悪かったな」