病み彼女との恋愛
憂愁
「良かったぜー聡ー‼︎
いっつ!」
風邪も治った日、生徒会室に行くと遊樹先輩が突進してくる。
それにびっくりして退くと、そのままの勢いで壁にぶつかる。
「いってー!
なんで避ける!」
「恐怖を覚えたんで…」
「俺は恐怖の対象かよ⁉︎」
ぶつぶつ何かを言いながら、会長の椅子に座る。
「あ、先輩」
「なになに?
なんかくれるの?ありがとー!」
「あげません。つーか、ない。
俺を勝手に殺すんじゃねえよ‼︎」
「ひいいいい‼︎」
机を叩くと「お許しをー」という言葉が聞こえる。
時代劇かっ‼︎
つーか、いい加減本題に入らないと……
「遊樹先輩。
俺、分かったんだ」
「…………なにが」
俺が真剣な顔で言うと、遊樹先輩の顔も真剣になる。
「遊樹先輩は小毬のこと…あいつが此処に来る前から知ってましたよね」