病み彼女との恋愛
不思議だった。
ずっと。
生徒会の長という立場は、全生徒の憧れの立場。
全生徒を導く役割を持っている。
それなのに、何故、たった一人の転校生のことを毎回のように聞くのか。
やっとわかった。
「遊樹先輩は小毬のこと…あいつが此処に来る前から知ってましたよね」
「……ふふふっ…あはははっあはははははっ‼︎
よく分かったね!
まあ、あんなにバレバレだと流石にバレるか!」
高らかに笑い出す。
いつもの笑い方じゃない。
それは笑っているのを聞いた瞬間に気付いた。
でも、気づかないふりをして言葉を続ける。
「……確信はありませんでした。
でも…煜が…俺の親友が見てたんです。
生徒会室から怖い顔をした小毬が出てくるとこ」
「……そっか…
それ、見られてたら頭の切れる君にバレちゃうよね……」
「教えてください。
先輩と小毬のこと。
俺は…あいつの事を知りたい。守ってやりたい。」
昨日のあいつを見たら、ずっと考えてる。
もしかしたら、あいつは何か心に抱えていてそれに縛られてるんじゃないかって。
それを本人以外から聞くのも悪いけど、遊樹先輩なら何か知ってるんじゃないかって…
「いいよ。教えてあげる。
俺と小毬のこと。
俺と小毬の姉のこと。」