病み彼女との恋愛

上着一つじゃ寒さを凌げなくなっていった。


ある日滅多に電話を使わない由莉から電話が来た


「おう

どうした?」


《……ごめん…遊樹……

私…もう……無理、かも……》

「お、おい!

どうしたんだよ!」


声が震えていて完全に大丈夫って状態じゃなかった。

《私ね…遊樹に会えて良かった……仲良くなれて良かった…》

「やめろ!

そんな死ぬようなこと…言うんじゃねえ!」

由莉の言葉を止めようと叫ぶが、由莉の言葉は止まらない。


《ごめんね…ごめんね……

私が弱いから…ねえ、遊樹。

頼みたいことがあるの…小毬のこと……お願い》

「ふざけんな!

小毬のことは自分で……」

《ううん。

私は…もう、ダメだから……

私が弱いから……

ごめんね。最後にいい?

遊樹。







好き。大好き。





愛してる》


「由莉⁉︎

おい!おい!由莉⁉︎由莉‼︎」

愛してる。

その言葉を告げたあと直ぐに電話は切れた。


やめろ。止めろ。ヤメロ!


嫌な予感だけが頭の中を無限にループする。

頼む!頼むから!


その日は休日で家に居た俺はコートだけを羽織って飛び出す


由莉が居るであろう学校へ……

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