病み彼女との恋愛

こんなに速く走ったのはいつ振りだろうか。

嫌、もしかしたら初めてかもしれない。


走る。走る。走る。


ただひたすら学校に向かって走った。


校門まで来ると、屋上に人影が見えた。


風になびく黒く長い髪。


さっきの由莉からの電話を考えるとどう考えてもあそこに居るのは由莉だった。


由莉はくるりと、屋上の入り口方面に身体を向ける。


俺が居る場所から玄関までは遠い。

とりあえず由莉と話をしようと屋上へ向かおうとする。


由莉は屋上に居る誰かと話をしてからタンっと屋上から飛び降りた。


飛び降りた。飛び降りた?


その行動に驚いた俺は足を止めてしまう。


数秒後、由莉の身体が地面に…アスファルトに…思いっきり叩きつけられる音が響いた。



………由莉?

由莉‼︎




学校から遠い家からずっと走ってきた俺の足は一度走りを止めたことにより、


もう限界とでも言うように悲鳴をあげる。


頼む…頼むから……動いてくれよ!


不恰好にフラフラに、何度も転びそうになりながら由莉の元へ向かう。





嘘だって言ってくれよ……

飛び降りたのは別の誰かで…由莉だと思ったのは俺の見間違いだって……















飛び降りたヒトの前まで来ると、俺は色々な原因で座り込んでしまった…

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