病み彼女との恋愛
嫌な予感が当たった。
飛び降りたのは由莉だった。
由莉の周りのアスファルトは由莉の血で染まっていた。
由莉の身体からはまだ、まだ、血が溢れてきていた。
血で汚れる。
そんなことも考えることをせず、由莉を抱きしめる。
由莉は微かに意識が残っていたようで、俺の姿を見て微笑む
「あ、あ…遊、樹が見える……
ふふっ…失敗しちゃったんだ……」
「なんで…なんでこんなことっ!」
ボロボロになった身体を無理して動かして、
手を俺の頬に当てる。
「…ねぇ。
遊樹……おね、がい…聞いて?
私の、こと……」
「……わかってるよ…
俺も好き。
大好き。
愛してる」
だから、生きてくれ。
その言葉だけ言えなかった。
いくら俺でも知識はある。
どう考えても……由莉は…………
助からないって…
「えへへっ
よか、った………
もっと…早く、伝えたかっ……」
今にも崩れ落ちそうな由莉の手を掴んで、
俺は…
由莉の唇に……
そっとキスを落とした。