病み彼女との恋愛
その後、俺は咲紀との約束を果たすために今まで行きたくもなかった病院に毎日通った。
元々俺の家から近い場所にあったから来るのに大変な思いなんてしなかった。
「あははっ
尊くんって私の知らないこといっぱい知ってるんだね!」
「尊くんの話聞くの好き!」
「私、どれだけ辛くても尊くんの話聞けるんだったら頑張れる…!」
正直、咲紀の病気がなんなのかは分からなかった。
なんとなく聞いたことがあったけどはぐらかされたから聞くのを止めた。
でも、咲紀と会って、話をして、看護師さんが怒りに来るまで話して、それでバイバイする。
そんな日常が好きだった。
そして、いつの間にか日常だけじゃなくて…咲紀自身が好きになっていった。
それを自覚した頃には咲紀に会うのが今までよりももっともっと楽しみになっていた。