病み彼女との恋愛


は………?


どういう、こと…?


「小毬はね、ずっと…いつ心が壊れてもおかしくない状態だったの」


「…私の所為で……小毬まで虐められるようになって……


その所為であの子の心は黒く染まった……」



黒く…?


小毬が…?


そんな風には全く見えなかった…



「そりゃあ、小毬は聡くんのことが大好きっ子だから

好きな子と一緒にいれば黒い部分なんてそうそう出ないわよ」


すっ……⁉︎


咲紀さんの言葉に多分顔が赤くなる。


「そして、今回聡くんは小毬を庇って意識不明状態。


もう壊れても可笑しくない。



だから、お願いをしに来たの」


「……あの子を助けて。


本当はそれは家族の私たちがやらなくちゃいけないことだけど…もう……


だから……




あの子のことを守って」


…………っ…


でも、俺は…


今守れなかった…


「どこが?


あなたが庇ったおかげで小毬に傷一つない」


「それに、犯人は…


遊樹が押さえてくれた…」



由莉さんが嬉しそうに言う。


遊樹先輩の名前を出すだけで頬を染めて嬉しそうな声になる。


ああ…やっぱりこの人だ。



遊樹先輩の側に居たのはこの人だ。

いなくちゃいけなかったのはこの人だ。


そう確信した。


……でも、もう無理なんだよな…


悲しくなって顔を下に向ける。


でも、それとは反対の明るい声が聞こえた


「遊樹は…大丈夫だよ


だって私の…大切な彼氏だもん


私は死んじゃったけど、ちゃんと空で見守ってるから……」


「尊も同じ。

空から見てるから…ね?



だから、君に小毬のことを託したい。


私たちはあの手紙の内容を分かってるから…




死んだ人間に違うのも変な話だけど…

あの子を一生をかけて守れるって誓って。

あの子の側にいると…



それがあの子を幸せに出来るたった一つの方法だから」




それを聞いて閉じていた口を開ける


「俺は………………」

< 88 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop