病み彼女との恋愛
「……え…………?」
思いっきり開かれた扉から現れたのは…
黒い髪。
入院着。
お腹を押さえた姿。
白石聡だった。
入院しているはずの人間が教室に現れた事により、
クラスメイトの誰もが驚く。
「聡さん……」
「悪い。
父さんに無理言って連れ出してもらったんだ」
お腹を押さえて無理したように笑う。
「聡ーー‼︎」
「こら!
空気読めって!」
類が抱きつこうとするが煜に止められる。
今度は足を引っ掛けてこけさせて、上から乗るという完全に動けない。
「……聡さん…」
「ああ」
「…ごめんなさい……」
「なにが?」
「…わたくしの所為で……!
聡さんが怪我を…」
下を向いて震える。
そんな小毬に静かに近づく。
そして、小毬の頭に自分の手を乗せる。
そしてそのまま小毬の頭を自身の胸に寄せる
「怪我なんか治る。
気合いで直ぐに治す。
俺は…お前に怪我が無くて良かった……」
「っ……わたくしは……っ!
わたくしの……っ!」
「……俺はお前のそういうの聞きたくない
なあ、手紙……読んでくれたか?」
「…………はい…」