…だから、キミを追いかけて
売り言葉も買わず、あっさりとテントから出て行く。
拍子抜けするような態度を見せられ、ポカン…としてしまった。
歩き出す背中が離れていくのに気づき、大慌てでテントを出ていく。
目の前に広がる砂浜には、昨夜の人混みでできた足跡と、祭りの賑やかさを物語るようなゴミが散乱していた。
湾内の海水は深い緑色を湛え、陸に向かって押し返すような波が寄せている。
眺める視界の端に、テトラポットが映る。
暗闇の中で交わした最後のキスを思い出し、きゅっと胸が迫った。
今日からは「独り」……
前を向いて生きなければーーー
「……頑張ろ…」
短く呟いた言葉に波留が反応する。何かを言いかけようとした口元を眺め、はっ…と気づいた。
「あのさ、もう少し肌を労った方がええと思うよ」
日焼けした肌をそのままにしてるやろ…と突っ込んだ。
「そのままにしてると早く老化するよ。灼き過ぎには気ぃつけんと、歳取ってシワだらけになるから」
お節介なことを言っている。
自分が言われたら嫌なことを言うなんて、私にしては珍しい。
「澄良に言われたことない?そういうの」
旦那さんの海斗さんの肌を思い出した。
灼けてるけど、綺麗にしている。
あれは澄良のアドバイスがあるから、ちゃんと手入れされているんだと思う。
「キヨがそんな事言うか!誰のもんやと思っとんだ!」
誰のもん…?
澄良は……
拍子抜けするような態度を見せられ、ポカン…としてしまった。
歩き出す背中が離れていくのに気づき、大慌てでテントを出ていく。
目の前に広がる砂浜には、昨夜の人混みでできた足跡と、祭りの賑やかさを物語るようなゴミが散乱していた。
湾内の海水は深い緑色を湛え、陸に向かって押し返すような波が寄せている。
眺める視界の端に、テトラポットが映る。
暗闇の中で交わした最後のキスを思い出し、きゅっと胸が迫った。
今日からは「独り」……
前を向いて生きなければーーー
「……頑張ろ…」
短く呟いた言葉に波留が反応する。何かを言いかけようとした口元を眺め、はっ…と気づいた。
「あのさ、もう少し肌を労った方がええと思うよ」
日焼けした肌をそのままにしてるやろ…と突っ込んだ。
「そのままにしてると早く老化するよ。灼き過ぎには気ぃつけんと、歳取ってシワだらけになるから」
お節介なことを言っている。
自分が言われたら嫌なことを言うなんて、私にしては珍しい。
「澄良に言われたことない?そういうの」
旦那さんの海斗さんの肌を思い出した。
灼けてるけど、綺麗にしている。
あれは澄良のアドバイスがあるから、ちゃんと手入れされているんだと思う。
「キヨがそんな事言うか!誰のもんやと思っとんだ!」
誰のもん…?
澄良は……