…だから、キミを追いかけて
「最初からそのつもりだったなら、なしてそう言わんね⁉︎ 」

夕ご飯を食べながら、母の小言は続く。
変化についてこれない田舎のおばさんになったな…と、しみじみ思いつつ謝った。

「ごめん……急に帰りたくなって………もう向こうにいる必要も無くなったし……」


契約社員として雇用されていた会社が倒産したと嘘をついた。
母は私の嘘にずっと騙されてきてたから、アッサリとそれを信じた。

「だからって、こんなスグに帰ってこんでも…」

就職口くらい、此処よりもあっただろうに…とこぼす。
そんな母の小言を、祖母はたった一言でストップさせた。

「いいじゃないね、帰ってきても困る事は無いんやから…」

「そりゃ、そうやけど…」

納得いかない母を尻目に、祖母は自分のイカ刺しもお食べ…と皿に移してくれる。


「夕夏、あんた働き口はどうすんの⁉︎ ここにはあんたのような若い子が勤められる場所は少ないよ⁉︎ 」


都会で働きたい…と我儘を言って出た。
それも嘘だったけど、母はずっとそう信じ続けてきた。

「…そんな直ぐに働かさんでもいい。夕夏は帰ってきたばっかで、先ずはゆっくり休ませんと!それからどんな仕事ができるか、何がしたいか、自分でよくお考え」
「お母ちゃん、そんな呑気なことを…!」

反論しようとする母を祖母が睨む。
納得のいかない表情のまま母は口を噤んだ。
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