…だから、キミを追いかけて
「具合はどうや?…熱は?」

冷んやり…と冷たい掌が額に乗る。

「さっきより下がっとるな。何か飲むか?」

スポーツ飲料のペットボトルを差し出された。

「ん…」

少しだけ体を起こして飲み込む。ごくごく…と3口程飲んでフタをしめた。


「…さっきの人は誰や?」

さり気なく確かめられた。

「…波留のこと?…澄良の旦那さんの友達だけど…」

島の人だと説明すると、祖母はほぅ…と息を漏らした。


「…どうしたん?」

ひどく安心している様子が引っ掛かった。

「いや…あんたの相手かと思って………妊娠の……」


ガタッ…と聞こえた物音に、二人してビクついた。
ドアの方を振り向くと、ギクリ…とさせられた。



「……お母さん……」


一番知られたくない人が立っている。


目を丸くして……

蒼ざめて………

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