…だから、キミを追いかけて
「チャペルじゃねーよ。れっきとした博物館!」
行けば分かる…と、歩みを進める。
ツレない態度の波留に頬を膨らませながら、それだから新しい恋にも縁がないんだ…と、舌を出した。
背中を追いかけていくこと数分。白い壁の建物の前に着いた。
5段ばかりの小階段を駆け上ると、右の壁に『考古博物館』と書かれた看板が掲げてあった。
「本当に博物館や…」
「やから、そうや…って言うたやろ」
相変わらずな態度でドアを押し開ける。
中へ入ると、明るい木洩れ陽が上から差している。
天井へと続く高い吹き抜けの壁には、ステングラスで描かれた浜木綿が映し出され、視線を下ろしたホールの先には、貝殻で作り上げられたモニュメントが飾られていた。
「…ようこそ、おいで下さいました」
きれいな高い声に振り向いた。
ストレートヘアの女性が、左右の肩から髪を前に垂らしている。
丸っぽくて二重の眼は、黒目の部分が大きくて印象的な感じ。小さくて口角の上がった唇には、パールの入ったルージュが引かれてあった。
一見して美人だな…と分かる人が、目を細めて笑う。
「波留がここに来るやなんて珍しいやん。どんな風の吹き回し⁉︎ 」
いきなり砕けた物言いに「えっ⁉︎」と隣を見つめた。
頭一つ分背の高い波留が、斜め後ろを向いている。
「風なんか吹いとらん!こいつが化石に興味あるって言うから連れて来ただけや!」
行けば分かる…と、歩みを進める。
ツレない態度の波留に頬を膨らませながら、それだから新しい恋にも縁がないんだ…と、舌を出した。
背中を追いかけていくこと数分。白い壁の建物の前に着いた。
5段ばかりの小階段を駆け上ると、右の壁に『考古博物館』と書かれた看板が掲げてあった。
「本当に博物館や…」
「やから、そうや…って言うたやろ」
相変わらずな態度でドアを押し開ける。
中へ入ると、明るい木洩れ陽が上から差している。
天井へと続く高い吹き抜けの壁には、ステングラスで描かれた浜木綿が映し出され、視線を下ろしたホールの先には、貝殻で作り上げられたモニュメントが飾られていた。
「…ようこそ、おいで下さいました」
きれいな高い声に振り向いた。
ストレートヘアの女性が、左右の肩から髪を前に垂らしている。
丸っぽくて二重の眼は、黒目の部分が大きくて印象的な感じ。小さくて口角の上がった唇には、パールの入ったルージュが引かれてあった。
一見して美人だな…と分かる人が、目を細めて笑う。
「波留がここに来るやなんて珍しいやん。どんな風の吹き回し⁉︎ 」
いきなり砕けた物言いに「えっ⁉︎」と隣を見つめた。
頭一つ分背の高い波留が、斜め後ろを向いている。
「風なんか吹いとらん!こいつが化石に興味あるって言うから連れて来ただけや!」