…だから、キミを追いかけて
『島の灯台は、外壁が御影石で出来た洋式灯台となっており、明治時代から海の守り神として、重要な役目を担ってまいりました……』
ナレーションと共に灯台の内部が映し出される。
螺旋階段を上りきった先に広がる見事な海の景色。
上りきった者しか見ることのできない大海原を、瞬きもせずに見入っていた………。
(あの灯台の中で、お父さんとお母さんは出会ったのか……)
感慨深いものを感じていた。
いつか自分も両親のように、この灯台で大切な誰かと出会いたい…と思った。
「悪かった…」
反省するような声に気づいて右を見た。
灼けた肌の人が、バツの悪そうな顔をして並んでいる。
「夕夏に礼を言われるとは思っとらんかったから、ちょっと戸惑った。生まれてきて良かった…と思えるんならええ。案内して回った甲斐があったってことや……」
嬉しそうな顔をして微笑む。
さっきのお姉さんのに似ている。肌の色は、真逆だけど……。
「……私…島の灯台に上ってみたい……」
波留の顔を眺めながら言った。
「私の両親、灯台の中で出会ったんやって。…だから私も上ってみたいんやけど……」
高い?と質問した。
「高さは50メートル位やから、大したことなあけど、その分、階段が急ぞ⁉︎ 1人で上れるか?」
「…1人でなんて誰が言うた?波留も一緒に上ってよ!」
あの母ですら怖くて動けなくなった様な場所。私が1人でなんて、無理に決まっている。
ナレーションと共に灯台の内部が映し出される。
螺旋階段を上りきった先に広がる見事な海の景色。
上りきった者しか見ることのできない大海原を、瞬きもせずに見入っていた………。
(あの灯台の中で、お父さんとお母さんは出会ったのか……)
感慨深いものを感じていた。
いつか自分も両親のように、この灯台で大切な誰かと出会いたい…と思った。
「悪かった…」
反省するような声に気づいて右を見た。
灼けた肌の人が、バツの悪そうな顔をして並んでいる。
「夕夏に礼を言われるとは思っとらんかったから、ちょっと戸惑った。生まれてきて良かった…と思えるんならええ。案内して回った甲斐があったってことや……」
嬉しそうな顔をして微笑む。
さっきのお姉さんのに似ている。肌の色は、真逆だけど……。
「……私…島の灯台に上ってみたい……」
波留の顔を眺めながら言った。
「私の両親、灯台の中で出会ったんやって。…だから私も上ってみたいんやけど……」
高い?と質問した。
「高さは50メートル位やから、大したことなあけど、その分、階段が急ぞ⁉︎ 1人で上れるか?」
「…1人でなんて誰が言うた?波留も一緒に上ってよ!」
あの母ですら怖くて動けなくなった様な場所。私が1人でなんて、無理に決まっている。