…だから、キミを追いかけて

一生懸命走っていた足は、呼吸の乱れと共に小走りになり、早歩きになり、小股になって……やがて……動かなくなった………。



ポタポタ…と、涙が零れる……。
ゲホゲホ…と、咳も出る………。
それでも、涙と鼻水を吸って、それから、顔を上げたらーーーーー





「……馬鹿かお前は……こんなとこで告んなや!」


照れるやろ!……と、寄ってきた人に、髪の毛をクシャクシャされた。

されるがままにしていたら、大事そうに腕の中に押し込まれた。


「……もう…他の男なんかに足開くなよ…!俺だけのもんやと……覚悟しとけ……!」


酷い言い方で、私の過去を抉る。


だけど……


「うん……」



素直になる………。







『好きや…』……と、耳元で、優しい声が聞こえた。



その声に胸を震わせて、私はやっと、自分の在るべき場所を見つけたんだ……と確信したーーーーー。





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