先生、ずっと愛してる。
「梨華、先生が電話、代わってって」




「えぇ!! 私、急いでるんだけど」




渋々、電話に出た梨華。




「何? 瀬名っち」




梨華は、それ以上、智希と話そうとせず、私に携帯を返した。




「そろそろ、彩音を返してくれってさ」




「は??」




「じゃ、そういう事だから…明後日、学校でね」




梨華は帰って行った。




「智希…会いたいなぁ」




一瞬…沈黙があった。




智希は…会いたくないの?




「俺も、会いたいんだけど…急に大阪まで出張になっちゃってさ…明日の夜まで帰れないんだよ…ゴメンな…」




ゴメンって…智希が謝る事じゃないのに…




教師なら…急な出張なんか、付き物みたいなものだから…




仕方ない…




心では、分かっていても…




会いたい時に、会えないのは…




やっぱり…辛いね…




でも、そんなの分かってて智希と付き合ってるんだから、そこは割り切らないといけない所だよね。




「そっか…出張、頑張ってね…」




「おぅ! ありがとう、彩音。愛してるよ」




そんな事…言ったら…よけいに会いたくなるじゃん…




智希との電話を切った後、泣いた。




永遠のサヨナラなんかじゃないのに…




なぜか、涙が止まらない。
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