先生、ずっと愛してる。
そう言われて、私も智希もしどろもどろ。




お似合いって言われて、うれしくないわけがない。




今日の智希の姿…忘れないよ。




クラスのみんなで写真を撮った。




智希の腕に、私の腕を絡めて…




絡めた腕が、熱かった。




誰かが言った。




「そのまま、結婚しなよ!!」って。




『だったら、このまま逃げていい?』




だってさ…




私ってバカだから期待しちゃうよ?




体育館に移動する時、智希はずっと、私の手を引いてくれた。




今日だけは、誰に何を言われても堂々と智希と歩ける。




このウェディングドレスに身を包まれてる間は…




脱いでしまったら終わり…




それまで、幸せな一時を過ごしたい!!




体育館に入ると、それまでざわついてたのが急に静まり返る。




椅子と椅子の間を、智希と歩く。




まるで、バージンロードを歩いてるみたいだった。




それから、写真を撮られたり、一緒に写ったり…その繰り返し。




解放されたのは、もう夕方だった。




もう少し…智希と『夫婦』でいたかったな…




「ちょっと、休ませてくれよ…」




智希がそう言って、私の手を取り歩き出した。




「どこ…行くの?」




「誰にも見つからない場所」




連れて来られたのは、屋上だった。
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