先生、ずっと愛してる。
それまで黙ってた智希が口を開いた。




「お前、元の担任に向かってそれはないだろ?中学の時の担任が、高校の体育祭を見に来るなんて今時あんまいないよ。それだけいい先生って事だろ?」




確かに、いい先生だった。




いい先生だっただけに、裏切られたのがすごくショックだった。




でも…それなのに…




ずっと忘れられなくて…




今でも携帯番号は覚えてる。




消したはずなのに…頭の中では消えてない。




智希と出会って、元カレとの楽しかった思い出も学校での事も…




元カレの存在も…




全部、消したはず…




なのに…なのに…




会うんだって分かったら…




何で…緊張してんの?




普通に、生徒と元担任として会えばいいのに…




何で…元カレとして会おうとしてるんだろう…




1週間後、どんな顔して体育祭を迎えてるのかな…?




智希…側にいてくれる?




担任としてでもいいから…




何かあったら…助けてね…




そう言いたかったんだけど…




智希と話せるチャンスがなかなか、なかった。




絶対に避けられてる…




放課後も…いつもいない。




探してもいない…




やっぱり…私が1人で何とかしないといけないよね…




覚悟を決めて、明日の体育祭の為に早目に眠りについた。
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