先生、ずっと愛してる。
「元カレだか何だか知りませんけど、今は俺の大事な彼女なんで」




智希…




どうして、いつも…




来て欲しい時に来てくれるの?




まるで、見てるかのようにタイミングよく現れるよね…




でも、どうして…




側にいて欲しい時にいてくれないの…?




まだ離れてなきゃ…ダメなの?




こんなに好きなのに…




さっきとは明らかに違う空気が流れ始めた。




沈黙に耐え切れなくなった頃、謙吾が口を開いた。




「……あんた、俺と同じ立場の人間だろ?」




「だったら何?」




「バレてもいいのかよ?」




この人…ここまで来て、何するつもり??




お願いだから、智希が傷つくような事はしないで!!




「いいよ。その覚悟で彩音とは付き合ってるんだから。彩音の初めてをめんどくさいって言ったあんたとは、愛の深さが違うんだよ!」




智希がそんな事思ってくれてるなんて…




やっぱり…智希って最高!!




謙吾も何も言い返せずにいた。




「私…謙吾の事、忘れるのに2年かかったの…それぐらい謙吾が好きだったよ…」




謙吾は何も言わなかった。




私達が去っても、しばらく立ち尽くしてたけど、いつの間にかいなくなってた。




あんな別れ方になっちゃったけど…私は謙吾に出会えてよかったと思う。




初めての『好き』を教えてくれた人…




ありがとう…




そして…バイバイ。
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