先生、ずっと愛してる。
きっと…お腹いっぱいのはずなのに…




何で…そんなに優しいの…?




智希の為に作ったって事…気付いたのかもしれない。




あのお弁当…誰にもらったんだろ…




お弁当作るって事は…智希が好きって事だよね?




「ねぇ…彩音、瀬名っち…お弁当受け取ってくれなかったの?」




「ううん…渡そうと思ったら、もう誰かにもらったの食べてたから…」




「えぇ!!それひどくない?」




「いいんだ。きっと断れなかったんだよ。でも私の作ったのも食べてくれるんだったら、それでいい」




いいんだ…




ちょっぴり…ヤキモチやいちゃうけど…




冷たく突き返して、『最低』って言われるより…




優しすぎるくらいの方がいい…




やっぱり…自分の好きな人の悪口は聞きたくないから。




「何か…彩音、強くなったね」




「そうでもないよ。辛い時もあるけど…今は頑張るしかないから」




「彩音…」




頑張った先に、きっと幸せが待ってる…




そう信じてる。




午後からのメイン競技は学年対抗リレー。




何と、3年生を差し置いて優勝してしまった。




2年生が優勝したのは、何年ぶりかみたいだった。




ホームルームの時間も、優勝の熱が冷めないままだった。




「マジでこのクラス最高!ありがとな」




みんなで抱き合って喜んだ。


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